"多方面から入ってきた様々な音楽が入り混ざる"という、独特のサウンドを常に生み出し続けるイギリスのクラブ・ミュージック・シーン。90年代アシッド・ジャズに始まり、ドラムンベース〜UKガラージという流れを経て、2000年辺りからはそれに替わるように、グライム〜ダブ・ステップといった特有のサウンドが支持を得てきている。根底にあるヒップホップ、レゲエ、ドラムンベース……数多くのサウンドの要素こそが、世界中の幅広い層のリスナーを魅了し続けている理由なのかもしれない。UK発、今最もリアルなストリート・ミュージックを体感しよう。
90年代を彩ったアシッド・ジャズ〜ドラムンベース・シーンと移り変わるように、ハウス・ミュージックから派生したUKガラージ・シーンは、R&Bやポップス・シーンを巻き込んだ大きな勢力として、一気に世界中に広まっていった。WookieやMJ Cole、Artful Dodger、So Solid Crew、Craig David辺りはその代表的存在と言えよう。当時は、アメリカのメジャー・アーティストを始め、ここ日本でも大沢伸一やm-floといったアーティストもこぞってサウンドに取り込んでいたのでその影響力の大きさは計り知れよう。現在のグライム〜ダブ・ステップ・シーンも、このドラムンベース〜UKガラージのムーヴメントを経由しなかったら誕生しなかった、といっても過言ではない。
ここ日本では、Dizzie RascalやM.I.A.、Streets等の存在で広く知られる、UK発のアンダーグラウンド・ミュージック、グライム(Grime)。直訳すると、 "よごれ"の意味を持つこのグライムというシーンは、UKガラージと総称した形で"G-Hop"とも呼ばれている。ドラムンベース〜UKガラージを経て、既に存在していたヒップホップのライミングに、レゲエやドラムンベースといったUKガラージの持つ要素が合わさってグライムは自然発生した。2000年辺りから、徐々に確立されていくグライム・シーンは、2003年、Dizzie Rascalのデビュー作『Boy In Da Corner』で一気に世界的な注目を浴びることになる。ロンドン西部のゲットー地区から誕生したグライム、そして現在のダブ・ステップ・シーンは、UK のみならず世界中の話題となっている。
2Live Crewに代表されるマイアミベースに始まり、南米ブラジルのファンキ・カリオカ(日本では通称"バイリ・ファンキ")、メリーランド州ボルチモアを発端とするボルチモア・ブレイクス、そして今回のUKグライム〜ダブ・ステップ、90年代のゲットー・テックやクランク……等、下世話で開放的なエレクトロ・ビートは、いつの時代も人々を熱狂させている。特に、来日DJも白熱した重鎮DJ Marlbolo、グライム・シーンの人気者M.I.A.〜ボルチモアの人気者Spank Rock〜ブラジル発Bonde Do Roleまでコントロールするシーンの最重要人物Diplo、UKメジャーからデビューも決まっているというPlastic Little辺りの動きからは今後目を離せそうにない。
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